パリのカフェではまずステーキフリットとハンバーガー

パリに来たら1回はカフェでステーキフリットとチーズバーガーを食べる。

これがなかなかの重要なミッションなのである。

昔はいくらでも食べられた脂の乗った肉よりも、赤身の肉が段々と体に合うようになってきた今も、たまにイベントとしても食べておきたいのが、パリのステーキフリットだ。

日本では主流ではない赤身ベースの牛肉で、しかし肉の味がしっかりしたステーキと、フリット。フリットとは、フレンチフライというやつである。フライドポテトだ。これがまたやめられない。

サン・ジェルマン・デ・プレの1920年創業Café du Métro

📍67 rue de Rennes – 75006 Paris

パリの“高級過ぎない”カフェでは、ステーキフリットやハンバーガー(特にチーズバーガーが鉄板だと思う、そこはチーズ大国)は実は定番中の定番カフェメニューのひとつである。

もちろん世界的チェーンのファストフード店も多数あるが、ファストフードではないこだわりのカフェのバーガーやテイクアウトのバーガー専門店など、ハンバーガーは、今やフランスのカフェ飯の主流とも言えるメニューだ。

初めてパリに来て、食事がカフェでハンバーガーと聞くとがっかりしそうだが、いやいや本格的な肉汁したたるつなぎなし赤身肉の分厚いパテのハンバーガーにフランス産のとろけるチーズにフランスの小麦を使ったそれだけでおいしいバーガーパン、それはこのために渡仏してもいいくらい、期待せずして美味しいものだったりするからぜひおすすめする。

唯一の注意事項は、ステーキフリットでもハンバーガーでも、同じプレートに乗ったフリット(フライドポテト)で溢れる肉汁を受け止めることで、プレートの完璧なバランスを自身の手で完成させることを忘れないことだけである。

ところで、例えば複数回目の渡仏の人は、以前に美味しかった実績のあるお気に入りのカフェでステーキフリットやチーズバーガーをまた食べればよいという話ではなく、毎回新たなカフェを試すことの意義についても強く重ねたい。

同じ店で、同じシェフ、ギャルソン(サービススタッフ)であっても、3か月後に同じメニューと思しきステーキフリットを注文すると、例えば前回とポテトの形状が違うことや肉の食感が違うといったことが過去何度もあった。ある程度以上の有名店であれば、肉の部位やポテトやサラダの提供に一定の決まりがあるのだろうが、街中のカフェはわりと自由度が高い気がする。いい素材が入ったものからメニューを作るというイメージで、だからパリのカフェはメニューも窓や黒板に毎日手書きが多いのかなと勝手に思っている。

とにかくそういうことにして、それが色々なカフェのメニューを試す理由となっていて、まあどこで食べてもだいたいおいしいのだが、時に大当たりがあり、遭遇すると驚きと喜びで瞳孔が開くほどの美食の可能性をも秘めているだけに、その大当たりの可能性の糸を手繰り寄せるべくして、カフェを覗くのはやはり至極の宝探しであり、重要なミッションなのだ。

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