フランス人、おしおきはクッキー

クッキーが好きだ。フランス語ではBiscuit(ビスキュイ)がいわゆる全般的なクッキーを呼ぶ語で、イギリスのショートブレッドのようなバター多めのホロホロとしたタイプのクッキーはSable(サブレ※日本語で「砂」の意味)と呼ばれている。

パンが好き、フィナンシェなど焼き菓子が好き、クレープが好き、なのでよく考えたら「粉もん」全般が好きなだけと言ってしまえばそれまでなのだが、日本ではグルテンの取りすぎを気にして米などなるべく他の主食も食べつつ少し押さえていられるのが、フランスに行くとタガが外れたようにグルテン依存症になるので、フランスの粉は魔法の粉なのかもしれない。

西洋の粉もんの聖地(とは誰も言っていない)のフランスではクッキーだけでも、スーパーから食のセレクトショップ、もちろん高級パティスリーまで種類もさまざま豊富で、一体自分はそのうちの何パーセントしかまだ食べていないのか嬉し半分不安になるくらいに無限に、おいしい小麦粉製品が存在する。

さて、そんなクッキー、現在のところ自分が世界で一番おいしいと思うのがPoilâne(ポワラーヌ)。ピエール・ポワラーヌさんが創業で現在はパリに4店とイギリスに店舗を構えている。無農薬の小麦を酵母の力でゆっくり自然発酵させ薪の石窯で焼かれるパンの中でも、看板商品のパン・ポワラーヌはカンパーニュタイプのハードな2キロほどもある大きな食事パンだが、もちろんクロワッサンなど小ぶりのパンでも、なんでもおいしい。

Poilâne(ポワラーヌ) ※各住所”7500”の後に続く数字の通り、6区、15区、3区、19区に店舗あり。

📍8 RUE DU CHERCHE-MIDI 75006 PARIS

📍49 BD DE GRENELLE 75015 PARIS

📍38 RUE DEBELLEYME 75003 PARIS

📍83 RUE DE CRIMÉE 75019 PARIS

しかし、ここで最大のお目当てはクッキー。クッキーの名前はなんと、Punitions(ピュニション※日本語で「おしおき」)である。

この名前の由来エピソードもかわいらしく、創業者の子供時代に、おばあちゃんが「これはおしおき」と言いながら内緒で子供達にクッキーを与えてくれたことからだそうだ。これは、最高におしゃれなエピソードとその名に合致するフランスのエスプリそのものを体現したようなクッキーではないだろうか。

原材料を見ると、小麦粉にバター、卵、砂糖のみ。どうしてこんなにサクサク、神がかり的な程絶妙なほろほろ加減になるのか、パンと同じ良質な材料と石窯焼きゆえのマジックであろう。

さらにパリでは、なかなかお目にかかれないかわいらしいミニサイズのパッケージ、お土産用に素敵なブリキ缶に入ったもの、スプーンの形をした贈答用、もちろん大袋の家庭用までさまざまに販売している。試食用にレジ前で籠に入ったバラも食べさせてくれる。どこもパン屋が一般的にそうであるように大きな店ではないが、店員さんがすごく温かい対応をしてくれて、なんだかおとぎ話みたいに素敵なパン屋なのだ。

ちなみに、フランスでNoël(ノエル)と言われるクリスマスシーズンなどには、いつもの形だけでなく、星形のクッキーなどもお目見えするのでいつ行っても楽しい。

このピュニッション、帰国が迫っていてパン屋に行く時間がない時でも心強いことに、観光客の味方のあのGaleries Lafayette Paris Haussmann(ギャラリーラファイエット)百貨店の食品フロアでも発見した。

📍40, boulevard Haussmann 75009 Paris

これといった説明もなく、また大袋のみなので、現地の人が家庭用に買う程度に置いてあるのかもしれないし、また何度か覗いた際にはいつもあったが、オフィシャルサイトにもラファイエットで販売している旨の記載はないので、必ずあるのかはわからないのだが、ここでお土産を買うついでに一緒に購入できれば便利だろう。

しかし帰国時にもし持ち込み手荷物にした場合には、空港で離陸を待つ間に食べてしまわないように要注意なのである。クッキーの魔法は日本に到着しても解けないのだから。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です