エコバックからの買い物考察

スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん、気づけばもう18歳とのことで驚いた。自分も自分以外の人間も、歳をとるのが早くて驚いている。

さて、日本でも2020年7月1日からプラスチック製の買物袋の有料化が全国で開始されて、早1年。日本フランチャイズチェーン協会さんによると、有料化後にコンビニでレジ袋を辞退する人の割合は28・3%から74・6%に増加とのこと。お金を払うといってもスーパーマーケットの場合などはたった数円と分かりつつ、しかもいつもゴミ袋に使うちょうどよい袋がなくて困りながらも、自分もこの74・6%から漏れずに、エコバックを利用するようになった。

日本から毎年排出される廃プラスチックのうち、このプラスチック製の買い物袋が占める割合は2%程度とのことで、プラスチックごみ全体の量から見ればごく僅かではあるようなのだが、とにかく適応力の早い我々日本人消費者には、スーパーマーケットからコンビニまで、これまで必ずもらえていた買い物袋は、お金を払うものだという意識の変革がもたらされたことは間違いない。

しかし一部の例外として、包装袋が必須と思われるテイクアウト食品や、高級な食料品の購入時などには、環境基準を満たしたという袋に断りなく入れてくれると、むしろホッとしてしまうのは、便利な包装過剰な文化に数十年慣れてしまった世代ゆえかもしれない。

ともかく、2020年度夏から、エコバックという必要に迫った新しい需要が日本で生まれた。

フランス旅行に行く際のお土産として、2020年前からもガイドブックなどで、MONOPRIXのエコバックが紹介されていたが、これは物価の高いフランスにおいてはひとつ1.5ユーロから2ユーロ程度と安く、さらに潰れない腐らない軽いという、持ち帰りやすいお土産のトップ3に入る逸品だと思っている。

これは恐らく2019版

MONOPRIX(モノプリ)とは、フランス全国にあるチェーン店スーパーマーケットで、コンビニ程度の広さの小型店MONOP’ (​モノップ) も含めると、パリの至る所そこかしこにあると言ってよい店舗数もあり、少し高級なためパッケージもしっかりしたものが多く、旅行者にも大変便利なのである。

各店舗の広さによって扱う商品もバラエティ豊かで、最近では巻き寿司やおにぎりなど日本風のお惣菜まで取り揃えてあり、もちろんすぐに食べられる便利な惣菜などの食品だけでなく、在住者が日常の買い物をするのに不便のない品揃えで、下着から赤ちゃん服まで衣料品や、化粧品、文房具から、食器、小型の家具まで揃っていることもある。MONOPRIXだけで改めて紹介するコンテンツが盛りだくさんなのだが、今回はまずエコバックに焦点を当てたい。

このエコバック、どの店舗でも大体レジ前に置いてあるのだが、毎年模様が更新されるので、渡仏の度に「その年の柄」としてお土産を配れるため、パリマニアの友人にも満足してもらえるため、大変重宝する。

サイズや素材も少しずつマイナーチェンジはしているのだが、よく考えたら自分が知っている限りでも、最低10年以上、大きくデザインも変わらず常に販売しているから、フランス人の環境問題への取り組みの早さと、定番の変わらなさのどちらにも驚かされる。

以前は日本で利用する際は、フランスのおしゃれっぽさや旅行の余韻を感じたくて、サブバックとしてや雨の日のバッグカバーとして利用していたが、つまり必然ではないけれどあったら便利という程度で利用していたのだが、皮肉にもコロナ禍でフランスにも観光で簡単に行けなくなった2020年から、ようやく本来のエコバック用途として日々使うことになったことに、しみじみしている。

以前はそれこそ数少ない友人へ、年間に2度以上も渡すこともあったようで「うれしいけど前ももらったよ」と言われて覚えてないくらい、”人にあげたい定番のお土産”だったのだが、自分が今使っているのは一番新しいものでも3~4年前位のもの。これが薄くて軽いがなかなか破れない便利もので、しかしもう変色してかなり見た目はみすぼらしく、新しいストックも幸いまだ手元にあるのだが、まだ使えるものを捨てるのがもったいなくて交換ができないでいる貧乏性に苦笑している。エコ意識が高いと言ってもらえる時代が来てよかった。

さて近年はレジにて、コロナ禍でマスクをつけた定員さんに、飛沫感染防止のためのアクリル板やシート越しに毎回「レジ袋は有料ですが、ご利用でしょうか?」といった確認を聞いていただくやりとりが発生。この労力と手間も含め、店員さんには感謝しかないのだが、このやりとりにはいまだ耳が慣れない。

ネイティブ日本人でありながらも、急な早口のヒアリングがあまり得意ではないため、実は大方よく聞き取れず「袋あります、ありがとうございます」と、とりあえず毎回返事をしている。海外で買い物する分には、だいたい相手もそれほど丁寧でないので、レジの店員さんの何か確認事項が聞き取れずに適当な返事をしてていても、まあお互い様と思えてあまり心痛まないのだが、日本の店員さんは本当に丁寧かつ親切な方がほとんどなので、即座に適切な返事ができなかった時の申し訳なさから、このレジでのスピード感と緊張感漂うやり取りへの苦手意識が相変わらずなのだ。

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